モンテ物産の生き字引!? 日本のイタリアンの歴史と共に マカロニくるくるクロニクルの巻
2024.9.27
カ・モンテ オンラインを運営する、モンテ物産の若手社員、エリナちゃんが、部署の垣根を越えて色々な先輩に自社の商品について教えてもらうという、この企画。 エリナちゃんのお勉強に、読者の皆様もお付き合い。イタリアの食文化を深く楽しもう!!
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島谷先輩、お疲れ様です!
まずは簡単に自己紹介をお願いします! - 島谷先輩
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総務部の島谷です。新卒で入社して、今年で39年経ちました。最初は営業として入社して、小売りの方をやっていて、営業サポートのところにいて。それから~会社もいよいよ規模が大きくなってきて、物流関係のことも誰かやらなくちゃいけないんじゃないか?っていうことになって、それが今のロジスティック部なんだけど、そのあと、総務人事。結局一番総務の仕事が長いですねー。20年やってます。
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来年で入社して40年!長いですねー!!以前、教えて!モンテさんvol.11“ブロード大好きあったか物語の巻”で木村先輩にお話を伺った際に、島谷先輩はほとんど全部の部署を経験されてるみたいなこと聞いて~、、、
- 島谷先輩
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そういうことでもないんだけど(笑)。私が入社したときは社員が20人くらいしかいなかったから、営業と、輸出入と経理と、ざっくり言うとこの3つくらいしかなかったんですよ。規模が小さかったから、今の物流とか、倉庫の対応とか、販促企画とかをみんな兼任してました。
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なるほどー、そうなんですねー。
入社されたときは20人くらいだったんですねー!! (※2023年現在 モンテ物産の社員数は約170名) - 島谷先輩
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当時は渋谷区の神泉にある東電広告のビルに入ってたんですよ。モンテ物産の創業者で松原さんって方がいたんだけど、その弟さんがカルピジャーニ・ジャパンっていうイタリアでも有名なジェラートマシンを扱ってる会社をやっていて・・・当時の日本ではジェラートマシンのシェアほぼ100%じゃないかっていうくらい、もちろん本国イタリアの街場のスイーツ屋さんみたいなとこでも、田舎のドライブインでも、どこ行ってもカルピジャーニ見るっていうくらい有名で。そういうイタリア関連の仕事をしている人たちが肩を寄せ合い、っていうんじゃないけど、その東電広告のビルの中に入ってたんだよねー。
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そうなんですねー、そのあと富ヶ谷に移転されたんですよね?
- 島谷先輩
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当時、陶器の窯元さんが土地をお持ちだったのかな?それで、モンテ物産がビルを探してるってことで、たまたまご縁があって、たぶん創業者の松原さんがお願いして「うちがいいように使っていいですよー」ってことになって。もちろん土地やビルは窯元さんの物なんだけど。それで、タイルとかも全部イタリアから輸入して、御影石とか使って、モンテ物産仕様の3階建てのビルを建てていただいたんですよ。
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おぉー!凄いですね!!バブルの時ですか!?
- 島谷先輩
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そうだねー、バブルの終わりくらいの頃じゃないかな。バブルの恩恵を受けていたのか、どうかはわからないけど(笑)
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そのビルで、会社が大きくなっていったんですねー!!
- 島谷先輩
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そうかなー、確かに人はどんどん増えていきました。その頃、ディスカウントストアがどんどん伸びていた時代だったから、特販課っていうのができたり、さっきの木村さんも言ってたけど、インテリア課っていうのもできて、ジノリっていう食器を売ったり、輸入や経理とかも増やしていって。
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真っ白い食器ですよね!あと、暖炉とかタイルとかも輸入していたっていうお話ですね!黎明期というんでしょうか、なんだかパワーを感じます~!
- 島谷先輩
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研究熱心だったのと、他でやってないことをやっているんだっていう自負心というか責任感もあって、みんな勉強してましたね。食べること、飲むことに興味もあったし、イタリアの食文化を伝えていかなくてはならないという使命感もみんな持ってましたね。新田さんも言ってたけど(教えて!モンテさんvol.04“ベテラン営業マンが語る、トマトヒストリーの巻”)How to cook、How to use って、あと最後にHow to enjoyっていうのを、当時の社長、副社長がよく言っていて、やっぱりイタリアの食事、食卓って“美味しい”っていうのだけじゃなくて、“楽しい”っていうのが大切じゃない?と言っても我々は食材を提供するのが仕事だけども、イタリアの食事での心の豊かさも伝えていきましょう、っていうのもあったから、みんな興味を持ってやってきたんじゃないですかね。
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素敵ですねー!!
- 島谷先輩
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商品的には90年代にティラミスが流行ったり、イタ飯や赤ワインブームがあって、時代の追い風っていうのもすごいあったなーと思いますね。だって昔さあ、イタリア料理店なんてなかったもの、今みたいに。私が入社した時は、ほんともうオリーブオイルとトマトを使ってもらうのが精一杯っていう感じ。一般の方たちには、「オリーブオイルって化粧品に使うやつでしょ?」って言われたりする時代だったから~。
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なるほどー!今、有名なイタリアンの巨匠たちがイタリアで修業していた時代ですかね?
- 島谷先輩
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そう、当時、モンテ物産は日本司厨士協会と懇意にさせていただいていて。我々が良い商品を持って行っても、消費してくれる方たちが使い方がわからないと、その良さが引き立たなかったりするじゃない?我々もイタリアのことに興味があって入社してるけど、当時はまだそこまでわかんないんだよね、調理とか。で、当時、司厨士協会の海鋒さんが八王子でイタリア料理のシェフをやってらして、司厨士協会の方とか、海鋒さんのお弟子さんとかにご協力いただいて、全国で料理講習会を開催したり、デパートのイタリア展とかでパスタとか作ってもらったりして、それが最初の布教活動みたいなもんだよね。
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そうなんですねー。
- 島谷先輩
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そのあとに、今の巨匠の方たちが台頭してきてって感じでしたね。80年代は、我々もイタリア商材を輸入してたけれども、そういう勉強熱心なシェフの方たちがイタリアに修行に行ったりして、現地の食材や技術を日本に持ち帰ってこられて、そのお店が雑誌とかで取り上げられたりして、90年代の「イタ飯」っていう言葉で流行っていった、という印象かな。
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なるほどー。地方への営業は行かれましたー?
- 島谷先輩
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まだ全国に支店がなくて、当時は東京と大阪だけだったから、東京から北海道に営業に行ったりもしてました。月曜に行って金曜日帰ってくるみたいな。北海道はさ、こうなんて言うか、食べるものとか、言葉とか、洗練されているじゃない?でも、麺類は大変でしたね。パスタよりラーメン、って感じだったから。
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確かに!北海道と言えばラーメンですよね(笑)。ところで今日は、ショートパスタについてお話しいただけるということで・・・
- 島谷先輩
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私が営業をやってた頃、小売りではマカロニを売るのがすごく大変だったんですよ。
モンテ物産が取り扱っていた当時のパスタブランドは、いわゆる業務用で、レストランでは結構使っていただいていたんですけど、小売りでは他の有名ブランドがあって、そこに食い込んでいくのが大変でした。しかも家庭では、マカロニをパスタ料理の一皿として食べる習慣が日本にはなかったと思うんですよね。マカロニサラダとか、スープの浮き身とか、グラタンの具とかね。形も一般的な、丸い筒状の物しか流通してなかったしね。けどモンテ物産は、創業当時から本物のイタリアをお届けすることが使命だったので、本場の物を持ってくるから、今でこそよく見るけど、ホウレン草とトマトの入った3色のカラフルなフジッリとか、貝殻の形のコンキリエとか輸入するんだけど、お客様のところに持っていくと「ナニコレ?」みたいな感じで。パッケージも今ではこんなに頑丈だけど、以前はもっとペナペナで。店で並べてたらパーン!って袋が破れてはじけちゃって、ホイールっていうボタンみたいな形の小さいマカロニがあったんだけど、店中に転がっていっちゃって(笑)。
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いろんな意味で苦労されたんですねー(笑)。
- 島谷先輩
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うん、だけど時代は変わって、今、ペンネ・アラビアータってどこにでもありますよね。マカロニを使った一品料理って、パスタと称して結構メニューに増えたと思うんです。と言いつつも、最初は自分でも全然マカロニ料理って作ってなかったんだけどね。イタ飯ブームとかがあって、自分たちもイタリアに何度か行って、料理のレシピもいろいろあるってわかって、ショートパスタっていいなーって思うようになって。イタリアに行っても、あんまり普通のスパゲッティって出てこないじゃない?
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そうですね、お店ではあんまり出てこないかもしれないです。
イタリアではショートの方が断然人気みたいですよねー。 - 島谷先輩
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ロングパスタでもタリアテッレとか、パッパルデッレとか、あとは手打ちとかだよね。そういう経験もあるのか、パスタっていろんな形のものがあって面白いなって思って、自分でいろいろ調理するうちに結構使うようになったんですよ。このデカいマカロニもさ、もちろん茹でて普通のパスタ料理としてもいいんだけど、中に具材を詰めてオーブンで焼いて、グラタン風にしても美味しいじゃない?あとショートパスタってロングに比べると冷めてもおいしいから、多めに作っておいて、冷凍しても良いし。
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なるほどー!確かにショートパスタの汎用性は高いですね!!
- 島谷先輩
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特にこのブロンズダイス(※)のパスタってね、ソースが絡みやすいのが特徴って売り文句にしてるけど、あんまり表面がザラザラと粗すぎると舌触りが悪い感じがするし、とはいえツルツルだと物足りないじゃない?けど、このラ・モリサーナのやつは、ちょうど良くて、どんなソースにも合うので気に入ってます。 ※パスタの原料となる小麦の生地を押し出す際の銅製の鋳物。他にテフロン製もある。
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普段からパスタは召し上がるんですかー?
- 島谷先輩
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あのね~、特にコロナ禍になってから、自宅で作っています。以前は土日に作ることはあったんだけど、今は平日の夜も頑張って。最近は早く帰れるしさ(笑)。一週間、毎日和食とか中華っていうのも飽きちゃうから、イタリアンの日もあるわけですよ。だから前より食べるようになった、今頃になってだけど。たくさん作りすぎたなって思ったら、冷凍して。
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なるほど!島谷先輩の最近のおすすめレシピを教えてください!!
- 島谷先輩
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このデカいマカロニシリーズみたいなサイズが大きいパスタは、濃い味じゃないとバランスが取れないように思えるんだけど、全然軽いソースでも大丈夫。ズッキーニと、ブロッコリーと、スナップエンドウ、あと枝豆。グリーンの野菜だけを使ってアーリオ・オーリオにして、きつめの塩で茹でたマカロニを和える。そうすると、彩りもきれいでサラダのようだし、パスタのようだし、それに、冷めても美味しい。お気に入りでけっこう作ってます。いきなり花束の話するけど、最近、同系色でまとめるブーケってあるじゃない?グリーンでもいろんなグリーンがあって、グラデーションの美しさがあって、そういうイメージ。ドライトマトのオイル漬けを刻んでいれても、彩りのアクセントになっていいと思います。
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キレイで美味しそうですねー!!お腹がすいてきました~!!
先輩はワインも一緒に飲まれるんですか~? - 島谷先輩
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お酒はねー、家ではあまり飲まないです、ほとんど下戸に近いので。でも、美味しいと思う。やっぱりイタリアン食べてると、お昼でも軽めのワイン、ちょっと合わせたいな~、とか思ったりもするし。
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本場のイタリアの楽しみ方ですよねー!!それでは最後に、カ・モンテ オンラインのお客様にひとことお願いいたします。
- 島谷先輩
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イタリア料理って本当に奥が深くて・・・。40年前は今ほどイタリア料理店がなくて、食材もスーパーなどでは揃ってなかった。今はいろんな種類があるし、日本人って本当にアレンジが上手で、真面目だし、みなさんのご家庭にあるものだけでも十分美味しいイタリア料理は作れると思うんですけど、とにかく!オリーブオイルとパスタとトマト、これだけは切らすな!これだけあれば一流のイタリアンシェフと同じものを作ることができる!冷蔵庫の中にあるものを使って、頑張って、楽しんで作ってください。
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オリーブオイル、パスタ、トマト。基本の3品ですね!
- 島谷先輩
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最初はそれくらいしか売るものもなかったけど、あとはニンニクかな、それがあればイタリアンはできるよねー。モンテ物産っていつもそうだけど、ちょっと早すぎたんじゃない?っていうのが多くて(笑)。バルサミコってさー、私が入社してすぐくらいに、社長か副社長がイタリア出張に行って持って帰ってきたの。「オリーブオイルとこのバルサミコかけるだけで、うまいんだー!」って。確かにそう思ったんだけど、発売した歴史を考えると1985か86年かで、それから今みたいにスーパーでもバルサミコが普通に棚に並ぶようになって、バルサミコが地位を得るまでは、何十年もかかって、定着した・・・そういう意味では、なんでも時間かかるねー。
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そうなんですねー。モンテ物産で最古参の大先輩、島谷さんから見て、今後のモンテ物産の若手社員に望むこととかってありますかー?
- 島谷先輩
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今のままでもいいんだけど、コロナのこともあって、少し萎縮しちゃって可哀想だと思いますね。特にここ数年入社された方たちは、周りの先輩たちも、心に余裕がないから。今の感性のまま、自らの感性でいろいろなことを広めていける人になってほしいと思いますよね。言わないだけで、こんなことやってたの!って、びっくりすることがあるから。失敗しないと仕事覚えないし、失敗してもいいからって思いますね。
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島谷先輩、本日はありがとうございました!
あとがき
おかげさまで「教えて!モンテさん」は20回目を迎えました。いつもここまでお読みいただいている皆様、ありがとうございます。
記念すべき今回は、モンテ物産の中でも最古参の島谷先輩にお話を伺いました!モンテ物産の黎明期を知る島谷先輩のおすすめは、「ラ・モリサーナ」のショートパスタ。健康志向の先輩らしい、野菜たっぷりのサラダパスタを作ってみました。
今回使用した「コンキリオーニ」は、イタリア語で「大きな貝殻」を意味する通りビッグサイズ!口いっぱいに小麦の香りが広がります。
味の染みやすいブロンズ仕上げなので、アーリオ・オーリオや野菜の風味も楽しめました。貝殻の内側に、ミートソースなどの詰め物をしても美味しいそうですよ♪
次回もお楽しみに!
今回ピックアップした商品
※掲載記事の情報は2023年7月にご購入者様へ配布した記事を元に作成したものです。
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