コントラット/ラ・スピネッタ
2023来日インタビュー
アルタ・ランガとは?いま大注目の瓶内二次発酵スパークリングワインの魅力に迫る
人気ワイナリー ラ・スピネッタインタビュー
2023.8.1
2023年初夏、久しぶりに来日したコントラット/ラ・スピネッタのオーナー兼エノロゴのジョルジョ・リヴェッティ氏と輸出担当のルカ・チリウーティ氏。カ・モンテオンラインでは来日に際しインタビュー。ワイン造りに対する思いや、最新の情報を語っていただきました。
オーナーエノロゴのジョルジョ・リヴェッティ氏(左)
輸出担当のルカ・チリウーティ氏(右)
ジョルジョ氏 刺激的で勇気が必要な決断だったと思いますが、当時ワイナリーを購入できる機会に恵まれたので、ノーとは言えなかったんだ。購入して終わりじゃなくて、自分たちでブドウを再植樹して、もっといいアルタ・ランガができるのではないか、90%の確率で成功できるのではと思っていました。
アルタ・ランガとは?いま注目の瓶内二次発酵スプマンテ
イタリア屈指の高品質ワイン産地ピエモンテで、「アルタ・ランガD.O.C.G.」という瓶内二次発酵のスプマンテが近年注目を集めています。D.O.C.G.に昇格したのは2011年とまだ歴史は浅いものの、イタリア国内の他の瓶内二次発酵スプマンテと比べても厳しい生産規則が定められ、ピエモンテワインの明確なアイデンティティをもったスプマンテとして、その地位を確立し始めています。
アルタ・ランガの生産地区はピエモンテ州バローロエリアの東側、バルバレスコエリアの南側からリグーリア州との境までのエリア。栽培面積は314ha。クーネオ県、アスティ県、アレッサンドリア県のタナロ川右岸の丘陵地帯。標高は生産規則では250m以上と定められていますが、500mほどの畑が多く、800mに及ぶこともあります。標高が高く、渓谷に近い畑であることから冷涼な気候で、昼夜の寒暖差が大きくなるため、ワインはしっかりとした酸とアロマを持つようになります。また、バローロやバルバレスコ地区と同様の泥灰土、石灰粘土土壌で、堅固なミネラルがこの土壌からもたらされるとされています。
ヘクタールあたりの植樹は4,000本以上、ブドウの最大収穫量は11トンで、搾汁率は65%以下、使用される品種は主にシャルドネとピノ・ネーロです。
アルタ・ランガのスプマンテの醸造で特徴的なのは、その熟成期間です。シュール・リー(澱とともに寝かせること)の状態で最低30ヶ月(リゼルヴァは36ヶ月)の瓶内熟成を行う必要があり、シャンパーニュの12ヶ月、イタリア国内のその他の瓶内二次発酵スプマンテである、トレントやオルトレポ・パヴェーゼの15ヶ月、フランチャコルタの18ヶ月と比べても格段に長い熟成期間が設けられています。
また、もう一つの特徴として挙げられるのは、ヴィンテージの入った、ミッレジマートだけが認められているということです。スパークリングワインには珍しいことですが、毎年均一な味わいを保つことよりもそれぞれのヴィンテージを表現した味わいのワイン造りを行うという意思の表れとされています。
ジョルジョ氏 とくに、海外に目を向けたときに、イタリアのスプマンテではプロセッコとフランチャコルタが挙げられますが、イタリアで突出したメトド・クラッシコを考えたときに、アルタ・ランガしかない。あとは、ラ・スピネッタでやってきたワイン造りを大事にして作業していけば、そんなに難しいことではありませんでした。プロセスは簡単なものではないですが、成し遂げたいという強い気持ちがあったのでできました。最初はナーバスになったけどね。
ルカ氏 実際、アルタ・ランガのワインは熟成期間が長く、結果がわかるまでが長いので、賭けみたいな怖さがありますね。
ジョルジョ氏 ロゼやヴェルメンティーノのように、9月に収穫して翌年出すというのであれば、調整がききますが、そういうわけにいかない
あとは、パドゼ(ドサージュ(※)を行わないこと。)でやるということ。バランスのとれたブドウをつくること。いいブドウさえあればパドゼでもいいワインができるという考えがあって、注力したんだよ。よく、いいワインは熟成工程で生まれるという勘違いがあるけれど、いいワインはブドウ畑で生まれる。パドゼはブドウ畑でのブドウをつくることと結びついていて、変なブドウができて、ドサージュで調整するのは違うなと思っている。それを継続するのが大事で、成功率95%だとすると、あと5%で成功するという、その数パーセントを詰めるのが大事。
ドサージュ:デゴルジュマン(澱引き)という工程のあとに目減りした分を補うとともに、糖度の調整を行うため糖分のあるリキュールを添加する工程。
コントラットのワインを飲んでもらって「ドサージュどれくらい?」と聞かれて「していないんだよ」と答えるのが嬉しい。それが、調和のとれたワインであることの証拠なんですよね。飲んでいて柔らかいなと感じることが。ドサージュをせずに、ブドウから生じる自然な調和。これは魔法みたいだけど、ブドウを口にするとストラクチャーが感じられる。パドゼでいかに素晴らしいワインができるかというのが、造り手の夢。
コントラットのワインは、どこの国で人気がありますか?
ジョルジョ氏
もちろん、一番はイタリア。アメリカ、ドイツ、北欧にも輸出していますが、一度飲んでいただければ、気に入ってもらえています。とはいえ我々は、日本がイタリアに次いで重要だと思っているよ。なかなか理解していただくのは難しいかと思いますが、ワインの歴史や私たちの考えを知ってもらえたらいいと思っています。食事にも一貫して通せるのが魅力。肉や魚、フランス料理でも日本料理でも、最初から最後まで通して飲んでいただけるのがコントラットのワインの魅力なんだ。
レストランやワインショップで、まとめて買ったけど売れ残ってしまったという場合は、逆にラッキーだと思います。熟成してさらに美味しくなりますから。あまりメトド・クラッシコのワインを知らない方でも楽しめて、シャンパーニュを知っている方が飲むと、「これ、すごいワインだ」と思っていただけるはず。
ラ・スピネッタを含め、オーガニック(有機栽培)の認証取得へ切り替えていっている途中とお伺いしましたが・・・
ルカ氏 コントラットのワインはすべてビオ(有機)です。
ジョルジョ氏 ラ・スピネッタはモスカート、ティモラッソ、ヴェルメンティーノはユーロリーフ(EUの有機認証マーク)取得済みで、ネッビオーロもこれに続いていきます。コントラットもすでに認証を受けているので、2018年のミッレジマートが2年後にはbio表示になって、お目にかかるようになる予定です。 自然に栽培しているということは、余計なストレスがかかっていないんだ。収量の話も同じで、いっぱい栽培するよりも収量を抑える方がストレスは少なくなるはず。それもワインの大切な要素になっています。
ピエモンテのラ・スピネッタでは現在シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ティモラッソ、モスカートを栽培しているかと思いますが、他にもありますか?
ジョルジョ氏 ナシェッタもいま栽培しています。近いうちリリースできるかと思います。ランゲの希少な土着品種で、非常にポテンシャルを感じている、楽しみにしていてください。
ラ・スピネッタ/コントラットのワインとその消費者について、コロナの前後で変わったと感じることはありますか?
ジョルジョ氏 消費者の数が増えました。それまではレストランで飲む人が多かったですが、自宅で飲む人が増えました。ありがたいことですが、生産量は少ないので、増えても対応できないというのはありますが・・・。それから、オンラインの注文も増えたので、包装に気を遣うようになりました。
では最後に・・・久しぶりの日本ですが、好きな日本食はありますか?
ジョルジョ氏 全部好きですね。ラーメンとか。手の込んだ丁寧な料理が多いから好きです。昨日も営業でレストランやワインバーを深夜まで回ったあと、朝4時に六本木でヤキトリを食べました。
朝一からインタビューに対応していただいたお二人。さすがに二日酔いだったというルカさん、このインタビューのあと一緒に定食屋さんに行き、あさりのお味噌汁を美味しそうにすすっていました。
インタビューのあと、お土産にいただいたピエモンテの特産品ヘーゼルナッツとコントラットのワインをペアリングしてみました。アルタ・ランガの長期間の熟成による複雑でまろやかな余韻、ナッツの香ばしさ、地産地消の最高の組み合わせでした。
サイン入りスペシャルセット
今回の来日に際し、オーナー兼醸造責任者のジョルジョ・リヴェッティ氏の
サイン入りスペシャルセットをご用意しました。
ラ・スピネッタ
【1セット限定】
ラ・スピネッタ クリュ・シリーズ バルバレスコとバローロ 2018 水平4本セット【サイン入り】
/750ml×4本
110,000円 (税込)
商品コード:27369_27380_27381_27387
ラ・スピネッタ
【1セット限定】
ラ・スピネッタ クリュ・シリーズ バルバレスコとランゲ・ビアンコ・ソーヴィニョン、リディア・シャルドネ 2019 水平5本セット【サイン入り】
/750ml×5本
100,000円 (税込)
商品コード:27394_27370_27366_6844_6845
スパークリングワイン コントラット
【3セット限定】
サイン入り アルタランガ D.O.C.G. スペシャルセット【送料無料】
/750ml×3本
25,000円 (税込)
商品コード:6772_6797_8072
2011年にコントラットのオーナーになられたことは、大変な決断だったと思いますが、最終的にはご自身で判断されたのでしょうか?