ヴィネガーを使いこなす！
ワインのおつまみレシピ vol.1
叩きごぼうとレンコンのバルサミコマリネ

サラダのドレッシングや、ソース、煮込み料理など様々な用途で使えると聞いてはいるものの、なかなかご家庭では余ってしまうこともある、バルサミコ酢やワインヴィネガー。そんなお酢（ヴィネガー）を使ったワインのおつまみレシピをご紹介！ヴィネガーの使い分けを覚えると、料理の幅もぐっと広がります。合わせて楽しみたいワインとのペアリングも、ワインエキスパートの資格を持つ、料理研究家の西祐子さんに教えていただきました。

新年は新しいテーマでレシピコラムのスタートです。今月からはヴィネガーを使ったワインのおつまみをご紹介したいと思います。以前のコラムでも少し触れましたが、私は無類のお酢好き。日々８種類ほどのお酢を使い分けています。ヴィネガーの使い分けについて、料理教室などでもよくご質問頂くのですが、私なりのちょっとしたルールがあって、レシピと共にヴィネガーを使いこなすためのヒントもご紹介出来たらと思います。 最初にピックアップするのは、バルサミコヴィネガー。ワインヴィネガーと同様ブドウから造られるヴィネガーですが、大きく違うのが製造方法や熟成期間。濃縮したブドウ果汁を木樽で長期熟成させたものがバルサミコヴィネガーになります。 ゆえに合わせる食材は、バルサミコの風味に負けない、味わいのしっかりした食材がより相性が良いと思います。そして、私がバルサミコヴィネガーに合わせることの多い調味料が醤油とはちみつ。塩味を足したいとき、塩で足すより醤油で味付けをした方が塩味がのりやすく、味わいのバランスが取りやすいからです。また、バルサミコヴィネガーは酸味の中のほのかな甘みを活かしたいヴィネガーでもあるので、時には少し煮詰めて少しのはちみつを足すことによってバルサミコの酸味と甘みの良いバランスを更に引き出すことが出来るかと思います。

今回は、寒さで甘みを蓄えた根菜を合わせてみました。根菜は風味の強い食材ですが、味が入りにくいという面も。そこでごぼうやレンコンを軽く麺棒などで叩いて繊維を崩すことで味が入りやすく、更に揚げることで煮詰めたバルサミコのマリネ液と絡みやすくしました。合わせたワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼから作られるトスカーナの赤ワイン。タンニンも滑らかで、ボディもありながら程よい酸味と軽やかさがあるので、甘酸っぱい揚げ根菜のバルサミコマリネをとてもよくまとめてくれる印象です。根菜の美味しい季節に、トスカーナのエレガントな赤ワインと一緒にぜひお試しください。

1. ごぼうは皮をこそげ落とし、5cm程の長さに切る。太いものは縦4等分、細いものは縦半分に切り、麺棒などで 叩く。水にさらす。
2. レンコンは皮をむき縦半分に切り、切り口を下にして、キッチンペーパーなどをかぶせて麺棒などで叩く。ひびが入ったら、適当な大きさに手で割る。水にさらす。
3. ベーコンは棒切りに、ドライトマトは熱湯で約5分もどして細かく刻み、パセリはみじん切りにする。
4. 揚げ油を170℃に熱する。
5. ①のごぼうと②のレンコンはキッチンペーパーなどで水気をよく切り、それぞれビニール袋に入れて、片栗粉をまぶす。

1. ④の油で、最初にタイムを素揚げして油にタイムの香りを移す。
2. ⑤のごぼうとレンコンはそれぞれ余分な粉を落としながら、5分ほどかけて揚げる。
3. 冷たいままのフライパンに何もひかずに③のベーコンを入れて、じっくり脂を出すようにしながらベーコンを炒める。キッチンペーパーに取る。

1. ⑧のフライパンに分量のバルサミコヴィネガーと③のドライトマトを入れて、半量くらいになるまで煮詰める。

1. 醤油を加えてひと煮たちしたら火を切り、はちみつと⑦の揚げたごぼうとレンコン、⑧のベーコンを加えて絡める。

1. 器に盛り、パセリを散らし、タイムを添える。

1. ✓はちみつを入れてから更に煮詰めてしまうとマリネ液の濃度が付きすぎてしまうので、すぐに火を切るようにしてください