イタリア塾の思い出。
北へ南へアンチョビの巻
2021.12.16
ラーモイタリア(2022年9月よりカ・モンテ オンラインにショップ名変更)を運営する、モンテ物産の新入社員二年生、エリナちゃんが、部署の垣根を越えて色々な先輩に自社の商品について教えてもらうという、この企画。
エリナちゃんのお勉強に、読者の皆様もお付き合い。イタリアの食文化を深く楽しもう!!
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川田先輩、お疲れ様です!まず、簡単に自己紹介をお願いします!
- 川田先輩
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人事部の川田です。入社して営業部に15年、現在は人事部におります。
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川田先輩、今日はどんな商品を教えていただけるんでしょうか?
- 川田先輩
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こちらの「“ヴァチカン”アンチョビフィレ・オリーブオイル漬け」のお話をしたいと思います。
昔モンテ物産が富ヶ谷(渋谷区)にあった頃の話なんですが、営業部で「イタリア塾」というのを開講しておりました。
プロのシェフをお招きしての料理教室や、ソムリエによるワイン講座、あと少しイタリア語もですね。当時は現在ほど料理教室やワインスクールも少なかったので、会社として“イタリアの食文化を知っていただく”という目的で定期的に開催しておりました。
営業部時代はそのイタリア塾の担当をしていました。 -
そんな時代があったんですね~。それは飲食店様や量販店様などいわゆるプロ向けの塾ですか?
- 川田先輩
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どちらもいらっしゃいました。イタリアがお好きな一般の方もいらっしゃれば、TVの料理番組に出演されているプロの方など様々です。
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イタリア塾ではどんな方に講師をしていただいたのでしょうか?
- 川田先輩
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例えば、名店アクアパッツァの日高良実シェフも講師として、何度も料理を教えていただきました。
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最近Youtubeでもご活躍されていらっしゃいますよね!アクアパッツァチャンネル、見てます!
- 川田先輩
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教室でも、日高さんは奥様たちからも大人気でした。他にはイタリア現地のシェフが来日した際など、特別講師としてお招きしたり・・・
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日本の有名シェフや、現地のイタリア人シェフなど、まさにイタリアの食文化を直接学べる塾だったんですね。
- 川田先輩
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はい、それでそのイタリア塾の生徒さんたちと、一緒にイタリアに行ってワイナリーや食品工場をまわるツアーがあったんです。
南イタリアのカンパーニャ州とシチリア州を周るツアーでした。イタリア塾の講師をしてくださったクリベッロさんというシチリア料理のシェフがいらしたんですが、そのツアーでクリベッロさんのお店に行って食事をしたんですね。そこで、このアンチョビとツナがお食事にでました。 -
あ、このアンチョビはシチリア産ですもんね!
- 川田先輩
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みなさん「美味しい!」と大絶賛で。そうしたらクリベッロさんが次の日に、このアンチョビ工場へ連れて行ってくださったんです。当時モンテ物産ではアンチョビの取扱いはなかったこともあり、一緒に行った塾の生徒さんも「おいしいのでモンテさんで輸入してほしい!」と。
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それで今このように販売できているのですね!当時からこのアンチョビは変わらないですか?
- 川田先輩
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とても肉厚で、きれいですよね。工場で現地の女性たちが手でビンの中に詰めていたのを、今でも思い出します。とても丁寧な仕事をしていて、今も変わっていないと思います。
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そうですね~。一枚一枚きれいにビン詰めされていますよね!先輩のおすすめのアンチョビの食べ方を教えてください!
- 川田先輩
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私が一番感動したのは、バーニャカウダです。イタリア塾でバーニャカウダを初めて教えていただいて、今でこそ一般的ですが、その当時はなくて。お野菜もたくさん摂れるし、アンチョビをたくさん使うので美味しくて、感動したのを覚えています。
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私もバーニャカウダ大好きです!温めたソースにお野菜をつけて、いくらでも食べれちゃいそうです。お腹がすいてきたなー。
- 川田先輩
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あの、お野菜をディップするソースを温めるポット、“フォイョ”っていうらしいんですが、初めてイタリア塾で教えていただいた時は、講師のシェフのお店からお借りしたんですよ。当時は日本で売ってなくて“欲しいな~欲しいな~“と思って、イタリアへ行った際に探し回って買ったんです。いい思い出です。バーニャカウダソースは作り方もシェフによって様々で、ニンニクの臭みをとるために牛乳で煮ていくシェフもいれば、そのまま香りを出すシェフもいます。エリナちゃん、バーニャカウダってどこの地方の名物料理かわかりますか?
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えーっと、ピエモンテです!
- 川田先輩
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素晴らしい!ではどうして山岳地帯のピエモンテでお魚であるアンチョビを使った料理が生まれたかというと・・・昔、海に面していないピエモンテは、南のリグーリアや、お隣フランスのプロヴァンス地方から塩を仕入れてたそうです。
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ふむふむ。
- 川田先輩
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イタリアが統一されるより前だったので、塩を運ぶ間にいくつか国境があり、そこを通過する度に税金を支払わなくてはいけなかったんですね。そこで考えられたのが、塩より税率の低いイワシを塩漬けにして、ピエモンテに運んでくるという。塩として残った部分は、商人やお金持ちに販売して、余ったイワシはアンチョビとなって、庶民へ流通しバーニャカウダが名物料理になったと言われています。
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へー!なんだかイタリアらしいエピソードですね!他にもおすすめのアンチョビの使い方はありますか?
- 川田先輩
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あとは定番のパスタでしょうか。
それからサラダに加えたり、ドレッシングやマリネもおいしいですね。
アンチョビって本当にオイル系をはじめ、トマトやクリームなど、どんな食材とも合いますし、アンティパスト(前菜)からセコンド(主菜)まで、いろいろな料理に使えるのが特徴ですね。 -
川田先輩、シニアソムリエの資格をお持ちと伺いましたが、ずばりアンチョビに合うワインはなんでしょうか?
- 川田先輩
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色んな料理に使われるので、これっていうのは難しいですが、やはり南のワインのイメージですね。赤よりは白でしょうか。またクリベッロさんのお話になってしまいますが、同じシチリアのインツォリアと合わせていただいたのが美味しかったですね。
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ありがとうございます!では最後に、ラーモイタリアのお客様に一言お願いします。
- 川田先輩
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私がモンテ物産に入って、入社時に研修がちょっとあって・・・その時にレストランに連れていってくださって、イタリアが20州あって、それぞれその地方の料理やワインがあることを知って、イタリアってすごいな、面白いな、勉強しがいがあるなと感じました。もちろんイタリア塾の担当として、プロの方たちと仕事をしていく上で必要だから勉強したというのもあるんですが、イタリアって魅力がすごくあるから、勉強できたんだと思います。とてもドキドキ、ワクワクした記憶があります。みなさんにもイタリアの食文化を通じてそんな体験をしていただければ、嬉しいですね。
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川田先輩!今日はありがとうございました!
あとがき
今回は、アンチョビオイル漬けの取り扱いを始めた当時の、貴重なエピソードを伺いました。
昔から変わらず、工場で1本1本手作業で瓶詰めされているというのも驚きです!
今回はこちらのアンチョビを市販のポテトサラダにちょい足しして、“インサラータ・ルッサ”(イタリアでよく食べられる、ロシア風ポテトサラダ)風にアレンジしてみました。
いつものポテトサラダにアンチョビの風味と塩気が加わり、おつまみにもぴったりの大人な味わいになりました。
皆様も、ワインと一緒に、アンチョビを使った手軽でお洒落なおつまみはいかがでしょうか。
次回もお楽しみに!
※掲載記事の情報は2021年4月にラーモイタリアご購入者様へ配布した記事を元に作成したものです。
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