CAPUTOで作るフランスの粉もの Vol.3【 Chiffon Sale シフォン・サレ 】2021.12.13
第3回目は南フランスのプロヴァンス地方 タプナードを使った粉ものをご紹介したいと思います。
タプナードとは、最近では日本でもなじみのあるフランス料理のひとつかと思いますが、オリーブとケイパー、アンチョビ、オリーブオイルで作られるペーストです。本来は、バゲットに塗ったり、魚料理などの付け合わせにしたりと用途は様々。
今回はそのタプナードを、シフォンケーキ生地にたっぷりと混ぜ込んで、アペリティフやお食事を通してバゲットの代わりにも楽しんで頂けるようなシフォン・サレに仕立てていきます。
そもそも、シフォンケーキをなぜご紹介するかというと、これまでご紹介したパスカードやグジェールと同様、どんな粉を使うかによって粉の特性が生地の食感に顕著に出るものだから。
シフォンケーキは卵をたくさん使いますが、実は水分が多く入るというのも大きな特徴です。この水分と粉のグルテンは大きく関係していて、水分が多く入るということは粉の中のグルテンも強く働き、弾力を与えたり、もちっとした食感やふわふわした食感につながります。そこで、どんな食感を求めるかで、どんな小麦粉を選ぶかというのが重要になるわけです。
ふわっと柔らかい食感が欲しい甘いシフォンケーキに対して、今回のシフォン・サレはお食事用なので、弾力のあるしっかりした生地に仕上げたい。また水分やタプナードといった具材がたっぷり入るので、その重さにつぶされないような力のある小麦粉を選びたい。ただし、強い粉であれば何でもよいわけではなく、空気を取り込むのが得意で、メレンゲの気泡をたくさん抱え込んで膨らませてから焼き固める、そんな軽やかさもあるような小麦粉がこのシフォン・サレに向いているという想いから”ヌーヴォラ”を選びました。
また、シフォンケーキというと横にはホイップした生クリームが添えられていますが、このシフォン・サレにはマスカルポーネを使って、数種のハーブと少しのにんにくを加えたチーズクリームを添えてお召し上がりいただきます。
ワインのお供にはもちろん、軽食にも、また持ち寄りパーティーにもおすすめの一品です。
ヌーヴォラを使ったタプナード風味のシフォン・サレ、ぜひお試しください。
タプナード風味のシフォン・サレ
<材料>
17cmのシフォン型1台分
- 卵黄(L玉)
- 3個分
- オリーブオイル
- 45g
- 牛乳
- 55g
- ヌーヴォラ
- 75g
- ベーキングパウダー
- 3g
- ブラックオリーブ
- 30g
- ケイパー
- 20g
- アンチョビ
- 2枚
- 粒マスタード
- 30g
- 卵白(L玉)
- 4個分
- グラニュー糖
- 45g
<下準備>
- オーブンを180℃に予熱する。
- 卵白は使う直前まで冷蔵庫でよく冷やしておく。
<作り方>
- ①ブラックオリーブ、ケイパーはみじん切りにする。アンチョビはペースト状にする。
- ②卵黄を白っぽくなるまでホイッパーで混ぜ、オリーブオイルを少しずつ加えながら乳化させるようによく混ぜる。
- ③牛乳を加え更に混ぜる。
- ④ふるったヌーヴォラとベーキングパウダーを一度に加え混ぜ、艶のある卵黄生地を作る。
- ⑤①のブラックオリーブとケイパー、アンチョビ、粒マスタードも加える。
- ⑥卵白をほぐし、泡立ってきたらグラニュー糖を3回に分けて加えながら、コシのある、キメの整ったメレンゲを作る。(艶があり、ボウルを逆さにしても落ちない固さで、すくって角が立ち、先端が少しだけお辞儀するのが目安。)
- ⑦④の生地に⑤のメレンゲをひとすくい加え、ホイッパーで混ぜて生地を緩める。
- ⑧残りのメレンゲを2~3回に分けて、メレンゲのボリューム感がなくならないように全体を混ぜる。
- ⑨型に一気に流し入れ、3~4回軽く台に叩きつけて空気を抜く。竹串で生地を軽く混ぜ、内側から外に向かって生地の表面に筋を5本ほど入れる。
- ⑩180℃のオーブンで10分焼き、170℃に下げて25分焼成する。
- ⑪15cmほどの高さから落とし、蒸気を抜く。縮みを防ぐため、型ごと逆さにしてしっかりと冷ます。5時間~一晩経ってから、パレットナイフなどを使って型から外す。
ハーブとマスカルポーネのホイップクリーム
<材料>
作りやすい分量
- マスカルポーネ
- 50g
- 生クリーム
- 100g
- パセリ
- 適量
- にんにく、塩
- 少々
<作り方>
- ①マスカルポーネにみじん切りしたパセリ、にんにくのすり下ろしたもの、塩をよく混ぜ合わせる。
- ②生クリームを6分ほどに泡立て、①を加え混ぜ合わせる。
合わせたワイン
“Millesimato” Alta Langa Spumante Pas Dose
”ミッレジマート” アルタ・ランガ・スプマンテ・パドゼ
今回、シフォン・サレにはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で作られる少しリッチなスプマンテを合わせてみました。
ピノ・ネーロという黒ブドウが使われているので、美しい黄金色で、酸味と果実味、ミネラル感のバランスがとてもよい味わいです。また、瓶内二次発酵後に澱と共に48ヵ月もの長い間熟成されているので、酵母由来の香りもしっかり、余韻も長く続きます。パドゼといって、通常熟成後に加える糖分を一切加えていないので、きりっとした辛口のスプマンテ。このようなタイプは、フルート型ではなく、チューリップ型と呼ばれる少し丸みのあるスパークリング用のグラスを使うと香りと味わいをより感じられると思います。
タプナード風味のシフォン・サレの香ばしく、しっかりした味わいとスプマンテの芳醇な香りと厚みのある味わい、そしてふんわり弾力のあるシフォン生地の食感とスプマンテの泡がベストマッチです。
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